こんばんは。
今回の覚書きブログは、【連続3話】に分けてお話しして行きたいと思います。
私の覚書きブログをお読みになって戴いている皆さんが、
書いている文章、アップしているお写真等、どの様な部分と内容にご興味を持って
下さっているのか・・・?
私には分かりませんが、今回はもしかしたら・・・一番見てみたいと思っている
内容のお話しになるんじゃないかと想像します・・・。
長くクルマをキレイにするお仕事をして来て、
久方ぶりに、仕上がりの想像が出来なかった1台のお話しです・・・。
1話1話、丁寧に書かせて戴きます故、長いお話しになると思いますが、
ご興味を持って戴けましたら・・・是非、最後までお付き合い下さいね。
それは、1本のお電話から・・・
『1台、磨いて欲しいクルマがあるんだけどさ・・・』
このお話しをご紹介して下さったのは、私が卒業した専門学校の先輩からでした。
『出来れば、1度現車を確認させて戴けませんでしょうか?』
何故なら、現車を見て的確な作業内容を判断をしたかったからです。
丁度、他のお車も作業させて戴く事になっていましたので、
後日、一緒に2台を現認する事が出来ました。
1台はルームクリーニング、そして・・・
もう1台は、今回の主役『シビック セダン タイプR さん』です。
そう・・・磨いて欲しいという、おクルマです・・・。
正直、現車を見た瞬間・・・磨いてキレイになるなんて思えませんでした。
シルバーメタリック塗装なんですが、ボンネット・フード、サイド面、トランク上面、
もう既にクリヤー塗装が確認出来ない位の状態だったからです。
ルーフ面にあっては、『カーボン調シート』が貼られていましたので、
クリヤー塗装が、まだ残ってくれていました。
しかし、カーボン調シートを剥がした事で、粘着剤に引っ張られて、
塗装面がボコボコした状態になっていたり、粘着剤が塗装に染み込んでいました。
『末永く乗る』事を考えたら、平成20年式の『シビック セダン タイプR』
全塗装した方が、今よりも良い状態で楽しめるでしょう・・・
という旨のお話しをさせて戴きました。
もちろん、合せてトータル作業の概算お見積りをお伝えしました・・・。
作業は、今から約1ヶ月ちょっと前・・・2月21日(水) のお話しから始まります。
朝6時、お客様のクルマを作業させて戴く現場へ向かいます。
クルマの中で、いろいろなシュミレーションをしておきます。
行ったは良いけど、何も出来ませんでした・・・じゃ、お話しにならない。
クルマの状態が悪いだけに、お客様は期待と不安が入り交じっている事でしょう・・・。
私の中で『期待に応えたい!でも応えられるか・・・?』その気持ちが強かったです。
キレイにして、末永く『シビック タイプR』に乗りたいというお客様のご要望。
平成20年式、サーキット走行が多かった10年経過の個体という事から、
全塗装する事を前提に考えるにしても、現状から磨いて何処まで戻せるか・・・
または、戻るだろうか・・・? そこが悩みどころな訳です。
今回は、『磨いたら何処まで復活出来るかというサンプル』としての作業です。
キレイになってくれるかも知れないし、薄くなった塗膜を剥がして墓穴という結果になるか?
しかし、私自身が求める本質は『オリジナル塗装で延命してあげたい』という
強い想いがあります・・・。
どんなに難しい仕事、やった事が無い作業であっても、
ご縁があって、私の所へお話しが来るというのは、
きっと、神様が『お前なら出来るから、やってごらんよ・・・。』って、
言ってくれてるんじゃないかなぁ・・・? ←おめでたい人です(笑)
そんな風に考えて、着手する事が昔から多いです。
初めてやるお仕事でも、意外にヘンな自信を持って取り掛かります。
さて、今回のお仕事はどうなるかなぁ・・・?
午前7時過ぎ、現場に到着しました・・・。
今日は曇り、それであったとしても、そこそこの景色は写り込むハズなんですが・・・
一切、写り込みません。
ほぼ、脈が無いと言っても良いでしょう。
残念ながら、塗膜は26ミクロンの厚さしかありません。 どうしましょう・・・。
とは言っても、なかなか分かり難いと思います。
例えば、3年位経過した軽貨物車の純白と同じ位の塗膜の厚さしかありません。
ウチの『セドリックちゃん』の塗膜厚は128ミクロンですから、
今回の『シビック タイプR さん』は、約5分の1の塗膜厚しか無い訳です。
無茶しなくても、磨いている熱で塗装を剥がしてしまう可能性があります。
シルバーメタリック車ですが、クリヤー塗装が無くなっています。
さて・・・コレを
こんな風に、出来るんでしょうか・・・
『影武者』の姿を目指して頑張ります・・・(^^;)ゞ
いつも通り、キレイに洗ってからの手順で進めます・・・。
そして、いよいよ磨き工程に入ります・・・気合いを入れて頑張ります。
運転席側、フロントフェンダーから磨き込んで『与力魂』を入れて行きます・・・。
薄すぎる塗膜を宥め賺して・・・
うん、戻って来た・・・。
丁寧に丁寧に・・・『これから、キレイにしてあげるからね。』と、言葉を掛けて・・・。
ポリッシャーで、ゆっくり摩るように磨いて行きました。
まだ、コーティングなんて掛けていませんよ。 フロントフェンダーを磨き上げました。
プレスラインをデッサンするように磨き上げて・・・
『シビック タイプR 』さんに、気持ちが通じたみたい・・・(*^^*)
周りの景色が『シビック タイプR』さんに引き込まれて来ましたよ。
コチラは、反対の助手席側です・・・時間は掛かりますが、絶対上手く行くでしょう・・・。
ボンネット・フードの半分を磨いて様子を見ます。
真上の建物の外壁が写り込んで来ました。
磨いてる間に、『あっ、もうこれ以上磨けない』そんな危険な時が何度か・・・(^^;)ゞ
ほぼ真ん中を中心にして、右と左で違いが分かります?
少しずつ、少しずつ生き返って来ましたよ(^^)v
プレスラインがクッキリと復活して来ました・・・
まだまだ、草臥れている所は沢山あるけど、必ず元気にしてあげるから。
あとで、お客様に確認してもらいましょう・・・。
引き続き、施工部分を変えてリヤのクウォーターパネルです。
車体から、約1.5m程離れて撮影しています。
ここも磨き込んで行きます・・・磨いているうちに自分の感覚が相手と同期して行くのが
心身で分かるんです・・・。
だんだん・・・クルマに吸い寄せられて、自分の全てが溶け込んで行く感覚。
磨き終わって、同じ所から撮影しています。
後ろのクルマが何だか分かるでしょ? 私の手肌の質感もね・・・。
今回は、あくまでも『サンプル』としての作業です。
リヤ・ドアは磨いていません・・・比較の為にね。
30m近く離れたクルマ達がしっかり写り込んでいるでしょ・・・?
ホントは、ココまでの作業で良かったんです・・・ホントはね。
でも・・・期待に応えたいから、やっちゃうんだ(笑)
コーティング剤を塗り込んで・・・
乾燥させて・・・
この後、拭き上げ工程ね。
ハイ、こんな風に元気に復活しました・・・。(^^)v
あらあら、一生懸命頑張ってくれた道具達が、しっかり写り込んでくれています(^^)v
調子に乗って、AピラーからCピラーまで磨いてコーティング施工しちゃいました(^^)
コレには、お仕事の合間を縫って作業を見に来てくれたお客様にも、
大変喜んで戴けました・・・この瞬間って、とっても幸せ・・・(*^^*)
ココまでの感触で、『全塗装はしなくても良いです・・・全て磨きで対応します』と
お客様にはお伝えしました・・・。
お客様からは、『あぁ、こんなにキレイになるんですね!!』というお話しが・・・
大きなコストを掛ける事無く、お客様が想っている理想に近付ける事が出来そうです。
今日の作業は、あくまでも『サンプル』としての作業です。
また近いうちに、本番コーティング施工作業をさせて戴ける事になりました。
次回のブログでは、作業レポートを書かせて戴きますね・・・(^^)
お楽しみに・・・
またね(^^)/