皆で、生きる・・・。第2話

本音で、気兼ね無く書けるのは、幸せな事だと思います。

憲法で『表現の自由』『言論の自由』が保障されていますからね・・・

江戸時代と大違い、生きるのが楽なような、辛いような・・・(笑)

第1話では、これから『死』を迎えようとする私のお話しでした。

ここからは、『事故の瞬間』に見えた事から先を書く事にします。

900ccの大型バイクが、時速80kmで突っ込んで来た瞬間。

眼で見ている映像は全てコマ送り・・・。

あれだけの余裕があるのなら、逃げられた筈なのに・・・と、今は思えるんですが、

『ダァァン!』という大きな音・衝撃と共に、私は右側頭部をBピラーに強打しました・・・

麻酔が効いているかのような感覚が先に立ち、激しい痛みもありませんでした。

その時、今まで見ていた景色が真っ暗になりました・・・眼は開いていたのに。

もっと分かりやすく言うと、いつも自分の眼で見ている景色って、

テレビの画面が映し出しているみたいなモノで、夢中になって見入っているテレビが、

背後で誰かに電源プラグを抜かれてしまい、昔のアナログブラウン管テレビのように、

『シュッ』って音を立てて、景色が画面中央に向かって、

萎(しぼ)むように消えて行ったんです。

その時、想いました『人間の最期って、こんな感じで終わるんだぁ・・・』って。

ほんの一瞬の出来事・・・

ちょっとだけ、身体が浮いたように気持ち良かった事を記憶しています。

その後、また電源が入ったかのように、鮮明な景色が映し出されました。

結果として・・・私は、延命されたんです。

本当はそこで、死んでしまう筈だったのに・・・。

そこから、1年半・・・治療・リハビリ・大量のクスリ・・・大変な時間を過ごしました。

それでは、何故・・・私が延命されたのか?

私には妹がいます・・・当時、妹は美容関係のお仕事をしていましてね。

『お兄ちゃん、ツイてないから鑑定してもらったら?』と、妹のお仕事仲間のお客様で、

スピリチュアル・カウンセラーをされている『ユーリ先生』を紹介してもらいました。

私は半信半疑で、鑑定して戴く順番を1年間待ちました。

その時、私は33歳。

当時、疑問に想っていたのは、ただ単純に『自分の運気が悪かった』のか?

それとも・・・『1号機 セドリックちゃんが悪かった』のか?

今となっては、申し訳ない事に『1号機セドリックちゃん』が悪いと想っていました・・・

その反面、『今、どうしているのか・・・元気か?』とても心配になります・・・。

変な別れ方をしてしまった故に、尚更そう想ってしまうんでしょうね。

その疑問を払拭する為に、話してみようと想っていたんです。

初めて『ユーリ先生』にお会いし、初めましてのご挨拶の後、鑑定が始まって開口一番。

先生 『与力さん、運転がスゴく好きでしょう・・・走る事が。』って。

与力 『はい、好きですね・・・あ、妹から聞いてます(笑)?』

先生 『妹さんとはお会いした事ありませんし、お話しした事もありません。』と・・・。

与力 『へ・・・?』

先生 『あぁ・・・だって、与力さんは元レーサーだからね・・・』

淡々と、私の話しをしてくれます。

その後の先生のお話しは、『え、何でソレを知ってるのよぉ~?』というお話しばかり。

『怖い・後ろめたい』という感情よりも、『知らない自分の事を理解してくれている』という

深い安心感に変わりました。

後に、『ユーリ先生』の存在が、今後の人生に大きく影響するようになるとは、

この時、思ってもみませんでした・・・。

鑑定して下さった結果は、以下の通りでした。

1代前の私の前世が、1800年代の終わりから1900年代の頭に掛けて、

イタリアの方で生きていたレーサーだったそうです。

元々、クルマの配線・電気関係の仕事をしていたそうですが、

自分がレースに出たくなって、レーサーに転身したらしいです。

レースとは言っても、当時のクルマは自転車みたいなタイヤを付けた、

ルーフも無いクラシック・カーです。

数々のレースで入賞も果たし、有名な方だったそうです。

その当時、婚約者も居たそうですが『レースに出る以上、命を落とす心配と

子供が生まれる前に死んでしまっては、父親の居ない子供じゃ可哀想だ。』という事で、

彼女は結婚に踏み切らなかった・・・(結婚するならレースを辞めろ)

その読みは間違いではなく、当時31~32歳の時に、

レースに出場中、後続のレース・カーに追突され、弾みで車外放出・・・

脊髄損傷で、そのレース後から1週間後に死亡しているという。

人は、人命に関わる大きな困難、ケガや病気をした時、前世の寿命と関係している場合が

多いらしい。

要は、その出来事が1つのハードルになっていて、

乗り越える事で、その先の人生を切り拓いて行くみたい・・・。

今回の私の事故は、『1号機セドリックちゃん』が悪かったのではなく、

私の寿命を延命させる為に、時間と出来事をずらして、ずらして・・・

最悪の事態にならないように、守護霊さん達が取り計らってくれた上での結果。

何故なら、前世で終わってしまった人生の時間32年では、

今生生まれ変わって来た意味が無くなってしまうから。

その事を踏まえた結論として・・・私の身代わりになって『1号機 セドリックちゃん』が

犠牲になって、護ってくれた訳です。

今も、『1号機 セドリックちゃん』は、元気に走っているようです。

事故で亡くなった前世の自分、本当は嫌いじゃないのに『クルマなんて危ない乗り物だ!』

そんな風に言っていたそうです・・・へそ曲がりだったんですね(^^)

人が生まれ変わって来る時、前世の記憶は邪魔になります。

だから、忘れてこの世に生まれて来るそうです。

たしかに、それはそうですよね。

だって、覚えていたら・・・今までの親・兄弟の事や、言語等の環境が邪魔になり、

新しく生まれ変わって来た生活環境・人生に支障をきたしますからね(笑)

それでも、過去世に繋がりがある人達の中で、今生も一緒に生きる訳ですから、

皆が知らない人達ばかりではない事が分かります・・・。

また、今やっているお仕事については、今生に於いてもレーサーになってしまうと、

また長生き出来ない可能性があるので、クルマを磨く仕事で、永くクルマを楽しめる人生を

送れるように・・・という意味があり、細かい部分にまで配慮されている事に、

私自身も驚きを隠せない・・・。

『1号機 セドリックちゃん』が、私に伝えてくれた言葉・・・。

『ワタシの事を、心配して大事に想ってくれてありがとう・・・

一緒に居られなかったワタシの分も、クルマを楽しんで欲しい』という

想いでいると、『ユーリ先生』は伝えてくれました・・・。

『ユーリ先生』の鑑定の時間は1時間。

その1時間の中で聞けるお話は限られます・・・『もっと知りたい。』

そんな気持ちにさせてくれたのは、疑い深い自分でも、否定出来ない程に

『納得した』『腑に落ちた』からです。

こんな事を聞いて、知って、『あぁ、そうですか・・・。』なんて、

平気で居られる訳がありません・・・。

こみ上げてくる贖いの想い、こんな自分を庇ってくれた事に対する

強い感謝の念に、深く包まれました。

この時『もう一度、絶対セドリックに乗ってやる!』という、

殺意にも似た、強い激情が沸き立ちました。

しかし、心と身体は別なんですね・・・夜中寝ていても、バイクの音で眼が覚めてしまう。

身体の震えが出て来る・・・吐き気に襲われる。

事故で全身麻痺までの障害を負っている状態を経験し、

また、同じクルマに乗る事って、出来るんだろうか・・・?

そんな状態は、今の時代で言うところのPTSD(心的外傷後ストレス障害)に

なるんでしょうか・・・。

逃げずに向かい合い、自分自身が生きている意味を理解する事で、

5年間という時間は掛かりましたが、ほぼ克服しました・・・。

そして・・・執念で以て、今の『セドリックちゃん』を完成させる事が出来たんです。

私の中に居るもう1人の自分、まず1人目を見つけました・・・。

でも・・・その時の婚約者だった彼女に、悪い事をしてしまいました。

『オレは今、元気で居るよ~!』って、言っても・・・

彼女は今も、元気で居る・・・ハズが無いよなぁ~ \(^^;)

さて、今度は・・・どんな自分に会えるかな・・・?

次回、『皆で、生きる・・・。』第3話に続く。

またね(^^)/


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